世界最大の木

偶然の出会い

 「世界一大きな木はどこにあって、どれくらい大きいのか?」巨木好きなら一度は必ず調べたくなりますね。検索すると、セコイア国立公園内にあるGeneral Sherman Tree(シャーマン将軍の木)という木が出てきます。ジャイアントセコイア(ヒノキ科)という種類の木で、ズッシリとした太い幹がまっすぐ高く伸びていて、これぞまさに巨木!っと言った感じの見た目です。

 自分が一番最初にこの木を実際に見たのは2005年ごろでした。実は当時この木の存在を知りませんでした。セコイア国立公園を訪れた際に、たまたま立ち寄ったスポットの一つに過ぎなかったんです。^ ^;

 しかし目に入って来た瞬間に「おぉ~~!」と口に出してしまうほど圧倒される大きさでした。知らずに通り過ぎてしまわなくて本当によかった~と思いました。今回はそんな世界最大の木に、また会いに行きたいと思います。

場所と行き方

 セコイア国立公園は、ジャイアントセコイアの保全を目的として1890年に設立。アメリカの国立公園では何と2番目に古いと言うから、当時からこの木に対する関心が高かったことが伺えます。

 場所はSierra Nevada山脈の南部に位置し、標高は約2000mの山岳地帯です。自分の住んでいるサンフランシスコからだと南東に向かって4時間ちょっと車を走らせます。公園の入り口は北側と南側にあり、サンフランからだと北側から入ることになります。先ずは寄り道せずに、この森の主に挨拶に行きたいと思います♪

 Gen. Shermanを見に行くには専用駐車場に車を停めて、15分ぐらいのハイキングです。車から降りると、空気はひんやりしていて、針葉樹の森のいい匂いがします。Gen. Shermanはもちろんこの公園のメインなので、トレイルはしっかりと舗装されていて歩きやすいです。坂道を下っていくと、お目当ての木がだんだん見えてきます。遠目からでもわかる、圧倒的な大きさです。木の周り半径20mぐらいは柵がしてあって、それ以上は近づけませが、正面 (?) の方向からだけは10mぐらいまで接近できます。多くの観光客で賑わう夏の週末に行くと、人だかりが出来ていて、正面から写真を撮るには並ばなければいけないぐらいです。何度かこの木に会いに来ていますが、いつ見ても圧倒される大きさで、自分が小さく感じます。

木の大きさとは?

 ところで、世界一の大きさと言っても、実際何を測って世界一としているのでしょうか?

 背が高くて細い木と、背が低くて太い木を比べて「どちらが大きい?」と聞かれても難しいですよね。そこで木の大きさを比べる時には幹の体積が使われます。つまりGen. Shermanは幹の体積が世界一なのです。この木の画像を見ると分かると思いますが、ズッシリと太い幹が一本まっすぐに伸びていて、いかにも体積を測りやすそうな体型をしています。もっと枝分かれが複雑なガジュマルのような木だったらどうするのでしょうか? 体積を持って世界一とするのは、まさにジャイアントセコイアの為の計測方法なのです!(←考え過ぎw)

 しかしこの木を一目見てあっさり世界一だと認めてしまうほど、この木は巨大です。

General Shermanのサイズあれこれ

 さて、そんなGen. Shermanの実際のサイズを、それぞれわかりやすい身近なものと比較しながら見て行きましょう~!

  • 先ずは樹高83m。これは24階建てのビルに相当します。ウルトラマンの身長(40m)と比較するとほぼ2倍。
  • ベース部分の周囲は31.3mで、約20人の大人が手を繋いでようやく囲めるお大きさです。
  • ベース部分の直径11mは、大型バスの全長やテニスコートの横幅(短辺)とほぼ同じです。
  • 世界一の幹の体積は何と1487m^3。イマイチピンと来ませんが、このサイズがあれば、日本の一般的な住宅の木材使用量が約24m^3らしいので、約62件建つ計算になります。小さな村ができますね。w
  • 重さは推定1910tで、これはアフリカゾウ320頭に相当します。

 とまぁ、こんな感じでわかったようなわからんような大きさですが、樹齢2000年以上と言われる長い年月を掛けてこの大きさに育ったんですね。

名前について

 ここまで色々Gen. Shermanについて話してきましたが、ずーっと引っ掛かっていることがあります。それはこの名前です。General Sherman Tree・シャーマン将軍の木??一体誰がいつこんな名前をつけたのか・・・?

 名付け親は博物学者のウォルバートンという方だそうで、彼が南北戦争で中尉として参加した軍将の名前を取って、1879年に名付けたそうです。Coast Redwoodの森にある木々にはHyperionやStratosphere Giantなど、かっこいい名前が付いているんだから、もっと他にあったでしょう〜っと思ってしまわなくも無いですが、、、まぁ正直名前なんかどうでもいいんです。名前を付けられる2000年以上も前からこの木は存在しているんですから。

せっかくなので

 せっかくここまで来たので、ぜひ併せて一緒に見たいのが世界第3・4位の大きさを誇るLincoln とPresidentです。この2つの木があるのは、Gen. Shermanと同じGiant Forest Groveという森の中です。Gen. Sherman からトレイルが続いているので、そのまま片道約1.5kmほどのハイキングで会いに行くことができます。周りに人が少ないので、Gen. Shermanよりもゆっくり静かな森の中で鑑賞できる2つの木は個人的なお気に入りです。

 ところで、2番目はどこ行ったんだーと思ってしまいますが、ご心配なく。世界第2位の木はお隣の国立公園で、場所もさほど遠くありませんが、それはまた別の機会に。

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